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ジュンポートアイランドビルのお気に入りスポット
(こちらは身近にいた安藤建築ファンにお願いしたデモブログです)

安藤忠雄の定番~巨大なブリッジを見上げると?SF映画のような世界が…

(上記写真は床の残置物等を消去加工しています。)

ジュンポートアイランドビルの教会のような荘厳なアトリウム階段を上った3階フロアから外に出れるドアがあり、そこを出ると現れるのが、このSF映画に出てくるような不思議な光景です。

この頃以降に何度も出てくる、コンクリートのブリッジによる大きな門のような開口部と、直線と円形の曲線の幾何学的な組み合わせ、そしてコンクリートの壁にある光を取り込むスリット、という安藤デザインの3つの要素が、とんでもないスケールで作られた屋上です。私の知る限り、美術館とかのスケールのある公共建築以外で、これほどの迫力のある大きさでこのデザインがある物件は、少ないかもです。(後述の映画ロケ地で使われた「淡路夢舞台」とかにはこれに匹敵する箇所がありますが。)

ここで空を見上げていると、UFOが飛んできて、この屋上に降りてくるのではないか、と錯覚するような非現実的な感覚を味わうことができます。


なるほど、確かに美術館でもない企業のビルにこんなアートのような屋上が必要か?と言われると、機能性と合理性、経済性の観点からは不要ですね。
しかし、「無駄か?」と問われると、それはここに降り立った時に感じる人それぞれの感性と価値観次第で答えは真逆になるでしょう。それこそが安藤建築の問いかけるテーマではないでしょうか。
つまり、この空間が無ければ、安藤忠雄の設計ではないし、安藤忠雄に設計を依頼した意味がないとも言えます。

経年劣化や枯れた草などがあって、余計に近未来のSF感が感じられるのですが、どうせ経済合理性や機能性に反する場所なのですから、逆に、リニューアルして、今はやりの屋上緑化をしてみたら、すごく面白いかもしれません。

そういうのって余計に維持費がかかりますが、ポートアイランドのパークアイランド構想、という島全体がジャングルのような森林に覆われた将来構想のCGを見ていて(CGは少しやり過ぎ感がある気がしましたが)、この場所こそが、その中心となる「神殿」ではないかと勝手に妄想しました。

その時こそ、きっとここに宇宙のかなたから人類を創成した「神」の乗り物が降りてくるに違いありません。

SF映画風CG合成画像です。

生成AI合成によるUFOが飛んでいる画像


生成AIでSF映画のワンシーンのようにしてみましたが…これではパークアイランド構想とはかけ離れた異次元の世界になってしまいました。こういうのこそ本当の「やり過ぎ」っていうもので、すみません。

なぜこんな「やり過ぎ合成」になったのか、と言いますと、今どきの生成AIで、あまりにリアルな屋上庭園を合成すると実際と勘違いされかねませんので、敢えてCG合成がわかりやすいSF映画風にしていたらこうなってしまいました。これなら実際と勘違いされることはないかな。

空、芝生や植物、屋上の床等は全て合成です。当然ですがUFOも。この空だと、壁のブリッジの影があるのは不自然ですが、安藤デザインの「光と影」の「影」は、敢えてそのままです。

実際に、安藤忠雄の建物が映画のロケで使用された事例も有ります。

安藤忠雄の建物をロケで使った、という映画はいくつかありますが、あの「リドリー・スコット」が製作総指揮したという近未来ディストピアSF映画の「ロスト・エモーション(監督ドレーク・ドレマス・2016年ソニーピクチャーズ)」が特に有名です。
わざわざ安藤忠雄の建物を使いたかったので、日本の安藤作品のいくつかでロケしたらしいのですが、私は以前に知らずに普通に見てしまいました。
なお、安藤忠雄だけでなく、新たに「プリツカー賞」を受賞された「山本理顕」の建物や日本設計、竹中工務店等の日本を代表する組織系企業の設計建物も使用されています。SF映画ファンだけでなく、建築ファンの方も必見の映画ですね。

以下は、この「SCREEN ONLINE」の一部を引用してご紹介。

『ロケ地は日本!その理由は「安藤忠雄の建築物を使いたいから」
日本でのロケ撮影も当時話題になったが、これは日本が世界に誇る建築家・安藤忠雄による建築物を使うため。
淡路夢舞台、大阪府立狭山池博物館、そして長岡造形大学などの建物がロケに使用され、幾何学的な近未来都市の世界観を際立たせていた。映像もスタイリッシュで、静謐な映像美と特徴ある色使い、陰影をうまく利用した撮影など、異才と呼ばれる監督ドレーク・ドレマスの才能が感じ取れる。』

近未来ディストピアSF映画「ロスト・エモーション」
監督:ドレーク・ドレマス
製作総指揮:リドリースコット
出演:ニコラス・ホールト、クリステン・スチュアート
https://screenonline.jp/_ct/17081404


使われた建物がわかるのはこちらのブログ記事
Equals/ロスト・エモーション 2014 2015 | Go! Kristen✴*. ‘ (ameblo.jp)


いかがでしょうか。安藤作品をSF映画っぽくCG合成するのは、一応「あり」ということでお許しください。

安藤作品が出てくるその他の映画

その他、安藤作品がロケ地として出てくる映画やドラマは他にもありますが、その中から2つほどピックアップしてみました。

1.渋谷区のトイレ「あまやどり」~映画「PERFECT DAYS」
こちらはSF映画ではなく、第76回カンヌ国際映画祭で役所広司がトイレ清掃員の役で最優秀男優賞に輝いた、ヴィム・ヴェンダース監督作の映画で、渋谷区の公衆トイレを安藤忠雄等の著名建築家・クリエイターがデザインしたシリーズの「The Tokyo Toilet」の中の一つとして、安藤忠雄のデザインした「あまやどり」というトイレも出てきます。下記の予告編の動画内でも見ることができます。

映画「PERFECT DAYS」
https://www.perfectdays-movie.jp/trailer/


2.韓国の済州(チェジュ)島「グラスハウス」~映画「THE WITCH 魔女 増殖」
安藤作品は韓国にもありますが、このグラスハウスはチェジュ島の東の端に位置するリゾートホテル「フェニックス済州」内にある展望台とレストランのある建物です。建物全体がコンクリートとガラスで、建物内部には大きなガラス窓を通して光が降り注ぐという安藤忠雄らしい作品です。大きなガラス窓から広がる海の絶景が素晴らしい建築です。
映画の中では、創始者ペク総括の自宅として登場し内部でのロケも敢行されています。

映画「THE WITCH 魔女 増殖」
https://eiga.com/news/20230419/5/
上記サイト内の映画紹介の動画にグラスハウスが出てきます。


(by ひろくん)

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